革命国家が勝利に向かって前進する玉川上水のブログ

駿河南海軍工廠の後継。近現代史小説を中心に掲載。

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 一九四一年七月。日本はサルディーニャ島攻略の軍を放ち、占領したばかりのチュニスの空軍基地に戦闘機と爆撃機を二個航空軍団ずつ進出させた。
 この動きに対しイタリア空軍は全航空機を南伊に結集し、総力を挙げて連合軍を迎え撃った。

 
 イタリア空軍総司令官 イタロ・バルボ元帥
「おれはイタリア空軍の軍人だぞ!」

 だが陣頭指揮を執っていたバルボ元帥が味方艦からの対空砲火で撃墜され死亡するなど、数々の災いが起き、東部戦線と向き合うドイツからの支援も受けられず、やがて地中海の制空権は連合軍の手中となった。
 
 
 一航艦長官 山本五十六大将
「いざ出陣!!」

 頃合良しと見て、聯合艦隊が出動。
 作戦は本段階に入った。

 在サルディーニャのイタリア空軍は、元々大した数ではなく、すぐに壊滅した。
 そのサルディーニャ島の周囲を、山本機動部隊六隻の空母が、圧倒的な航空戦力をもって包囲する。
 イタリア海軍はその解囲を企図し、勇躍出撃。しかし港外で待ち伏せていた高橋艦隊と遭遇し、波穏やかなタラント湾は一転して巨大な戦争のるつぼとなった。

 
 イタリア艦隊司令長官 カルロ・ベルガミーニ大将
「合戦用意、昼戦に備え!」

 イタリア側の司令官はカルロ・ベルガミーニ大将で、これはくしくも両軍の艦隊最高司令官が同じ戦場に将旗を翻したことを意味する。
 ベルガミーニは旗艦「ローマ」の艦橋から、双眼鏡で水平線を見た。機関の煤煙と思しき煙の筋が集まり、黒い霧のようになっている。
 余談だが、彼は出撃の直前、デ・クルタイン軍令部総長から直々に、海軍大将の階級章を賜っている。麾下の将兵たちはこれを、二階級特進の頭金と呼んだ。

 
 イタリア兵
「敵旗艦目視!」

 二隻の大和型戦艦が先頭に立っている。
 二隻のうちいずれかが日本艦隊の旗艦だが、まだこの距離ではどちらか判然としない。
 だが、ベルガミーニは先頭の敵戦艦こそ旗艦に間違いないと思った。
 海将とは古来からそうあるべきものと彼は信じており、彼自身、旗艦「ローマ」を一番先頭に置いている。

 ベルガミーニは顔も知らぬ敵将に自らと共通するものを見出して、天晴れ、見事と感服した。
 戦艦「ローマ」は最新鋭の軍艦で、リットリオ級戦艦の三番艦である。
 敵艦との距離はまだ三万メートル以上離れており、「ローマ」の有効射程ではまだ遠い。

 
「よし、敵旗艦に向けて発光信号を送れ」

 これがレッジーア・マリーナ(イタリア王立海軍)最後の海戦となることは間違いない。
 ベルガミーニは王立海軍最後の艦隊司令長官として、何か一言残したい気持ちがあった。
 それに高橋提督がこちらのメッセージに応答してくれば、相手司令部の所在もわかる。
 メモを手渡され、信号員が探照燈に取り付いた。
 そのとき、見張り員が再び声を上げる。

 
「敵一番艦、及び二番艦より発光信号」

 ベルガミーニ提督は驚いて、双眼鏡を構えた。
 敵戦艦の艦首あたりで何か閃光が発している。
 その閃きの中から黒い芥子粒のようなものが現れ、それが急速に膨れ上がった。
 瞬間、艦尾方向から突き飛ばすような振動と轟音。衝撃で艦橋に詰めていた人間が何人もなぎ倒される。

 
「バカモン! 発砲と信号を間違うやつがあるか!」

 だが見張り員が間違うのも無理はない。三万二千もの遠距離で主砲を放つ戦艦など、彼だけではなく、イタリア海軍の常識を外れたものである。
 加えて、常識を外れていたのは射程距離だけではなかった。

 
「右主機械室直撃! 速力落ちます」

「ローマ」の後部マスト付近に命中した四六センチ弾は、上甲板の水平装甲を破ったばかりか、艦内のあらゆる装甲鈑を貫いて、最終的に機関室に飛び込み、そこで爆発したのである。
 この損害で「ローマ」は速力が大幅に低下し、大きく傾斜することになった。

 
「なんだあいつは! 俺の『ローマ』を一体なんだと思っているんだ!」

 だが二発目の砲弾は、更に破滅的打撃を「ローマ」に与えた。戦艦「武蔵」の放った第二斉射は、ベルガミーニが見ている目の前、即ち二番砲塔と艦橋の間に命中して爆発。艦は大火に包まれ、前部弾薬庫に延焼の結果、「ローマ」は爆沈した。


 
「凄いなあ、イギリス式の電探射撃は」

 
 聯合艦隊参謀長 豊田副武中将
「ドイツなんかと組むやつはバカですね」

 戦艦「大和」の艦橋で、高橋と豊田は、炎上する「ローマ」を見ながら言った。

 
 戦艦「大和」艦長 福留繁大佐
「命中の直前、発光信号らしいものが見えましたが……」

 その傍らで、福留艦長がためらいがちに言う。

 
「なにっ!」

 それを聞いて、高橋は目をむいた。

 
「貴様! なぜ早く言わん。沈めてしまったではないか!」

 
「参謀長、君は知っていたのか」

 
「さぁて、どうでしたかなあ。なにぶんイタリア戦艦など、小さすぎてよく見えませんでしたよ。はっはっはっは」

 
「そうですよ長官。わははは」

 
(心配だ……日本海軍の将来が。ベルガミーニ提督、すまん)

 旗艦「ローマ」の爆沈と、一方的な長距離射撃でイタリア艦隊は壊走し、アドリア海に逃げ去った。

 
「燃え尽きたぜ」

 海戦ののち、飛行艇に収容されたベルガミーニ提督は、真っ白の灰になってタラントの病院に運ばれた。


 一方、その頃……

 

 

 
 ドイツ高海艦隊司令長官 ギュンター・リュッチェンス大将
「………」

 海上封鎖でバルト海に押し込められていたドイツ海軍が、その封鎖の解除によって、にわかに動き出しつつあった。
 ヒトラーは、まだノルウェーを諦めたわけではなかったのである。


 

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