革命国家が勝利に向かって前進する玉川上水のブログ

駿河南海軍工廠の後継。近現代史小説を中心に掲載。

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 昭和十二年八月十五日のあさ。わが海軍の勇猛(ゆふもう)なる航空部隊は、九州の○○基地を飛び立つて、さうれつなる爆撃行に出發しました。さうぜゐ○○機の九六式中攻が、翼をつらね、敵國支那の首府・南京(なんきん)に向かひ、渡やう攻撃をくわんくわうしたのです。
 百戰練磨(ひやくせんれんま)のわが海鷲たちは、東支那海の荒海を越え、雲も氣流もなんのその、がうがうたる爆音を天地にどよもし乍ら、はやてのやうに大空を驅け拔けてゆきます。
「けふこそは、暴戻不遜なる支那の軍隊を、いつぺんに叩き潰してやるぞ」
 空の勇士たちはまなじりも高く、一路南京をめざします。
 やがて、はてしなく續く水平線の向かうから、長い長い大陸の沿岸せんが見えてきました。
「モクヘウ近シ。突撃隊形ツクレ」
 先陣を切る隊長機のめひれいが、電波に乘つてつたはります。
 めいめい、隊長の指示にしたがつて、陣形を組みかへました。
 わが海軍機は、物怖ぢもせず、勇躍(ゆふやく)、大陸上空に斬り込んでゆきます。
 わが海鷲の突然の襲來(しうらい)に、敵兵はなすすべもなく、うろたへるばかりです。
 やうやくにして、ボン、ボン、と對空砲火がばくはつし始めました。
 しかし支那兵の對空砲火は、氣違ひのやうにあさつての方向でさくれつするばかりで、わが軍の飛行機はビクともしません。
「ヤァ、敵さんのやつ、あわてゝゐるな」
「おくびやうな支那兵のタマなんかに、われはれが當たるもんか」
 わが中攻機のつわものたちは、狼狽(らうばい)する支那兵のあたまの上を、笑ひながら飛び越してゆきました。
 海鷲の群はさらに飛んでゆきます。
 すると雲のすきまから、何かがみえました。
「あれだつ! 南京がみえたつ!」
 わが航空部隊は、つひに南京の上までやつてきたのです。
 空からみる南京の町なみは、寫眞でしつてゐたものとはちがつて、まるでおもちやのやうにみえました。
「ようし。みんな、おれについてこい! 訓練の成果をみせて、がんばらう!」
 隊長が聲をはげまして言ひました。
 若い航空兵たちのまぶたに、これまでのさまざまな苦勞が浮かんできます。この一しゆんのために、きびしい訓練をかさねてきたのです。それを思ふと、みんな、胸がいつぱいになりました。
 いよいよ、隊長が突撃めひれいをくだします。
「全軍突撃せよ!」
 鋭なるわが海鷲は、一列の單ぢゆう陣を組んで、南京の上空にさつたうしました。
「ソレッ! みんな燒きはらつてしまえつ!」
 隊長機以下の全機が、内地からだいぢに抱へてきた爆彈を、つぎつぎと投下してゆきます。
 忠君愛國(ちゆうくんあひこく)のらかな心をこめてつくられた爆彈は、武器庫、火藥庫、工場などの支那軍の施設を、ようしやなく襲(おそ)ゐ、こつぱみぢんにふきとばしました。
「やつた! 命中したぞ!」
 機上では爆彈がひとつさくれつするたびに、カツサイが沸き起こります。
 南京の上空には、ばくはされた建物が上げる煙が、まうまうとたなびいてゐました。
「右の上方、敵機ッ!」
 そのときです。ちかくの飛行場から發進した支那軍のイ・十五戰鬪機が、わが海鷲に襲ひ掛かりました。
 敵機はわが中攻機の前方にたちはだかり、機銃掃射を浴びせかけてきます。
 わが軍もたゞちにこれに反撃をおこなひます。機關銃をうちまくり、たちまち三機をげきついしました。
「長居はむやうだ。歸投するぞ」
 爆彈をおとし、身輕になつたわが中攻隊は、エンジンを全開(ぜんかひ)にして、支那軍の戰鬪機をあつとゐうまに引きはなしました。
 かうしてわが海鷲の決死行は大せひこふにをはり、空の勇士たちは、凱歌(がひか)をあげながら、内地へと針路をとつたのです。


●「航空雑誌 皇軍の精華」より『渡やう攻撃』
 (昭和二十年・検閲により発刊不可処分)



 




テーマ:短編小説 - ジャンル:小説・文学

コメント


発刊不可になったのは、やはり「九六式中攻」と書いちゃったからでしょうかねぇw
2007/08/30 17:59URL  ゴロンと #-[ 編集]


南京がお餅屋のように見えたからかも。
2007/08/30 20:36URL  早池峰山 #w1X/gZh6[ 編集]


しまったそれは想定外だったw
2007/08/30 21:26URL  ゴロンと #-[ 編集]

「あんたは蒋介石が餅を食べると思うのか」「いや、餅くらい食べるんじゃ」
年代に注目。
2007/08/30 22:35URL  早池峰山 #w1X/gZh6[ 編集]


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