革命国家が勝利に向かって前進する玉川上水のブログ

駿河南海軍工廠の後継。近現代史小説を中心に掲載。

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Category :  読み切り小説
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 すさまじい致死性の伝染病が蔓延した。この死病を防ぎ、生命を保つ方法はただひとつ。それは覚醒剤・ヒロポンを打つことだった。

 都市部を離れ、わずかに生き残った人々も居たが、彼らにも死は刻々と迫っていた。ヒロポンを配る国連軍医療部隊の放送が、彼らの洞窟にも聞こえてくる。

「あんなものは聞くな!!」
 白衣を着た保健所の衛生官が、日本刀を握り締め、甲高い声で言った。
「奴らは鬼畜だ! 一度ヤクをやれば、二度と戻ることはできないぞ。一生、ヤクの奴隷になるんだぞ」

「しかし、もう限界です」
 背広姿の男が言った。顔も身の回りのものも、汚れて黒ずんでいる。
「私たちはもう十日も何も食べていないんですよ」
 赤ん坊の泣き声が洞窟の奥から聞こえた。
「子供もいます。薬をもらいましょう」
「ばかものッ」
 衛生官は直ちに男を殴り倒した。

「ヤクをやって生き延びるような、そういうクソ野郎は死ね。死ね死ね、死んじまえ。きさま叩ッ斬ってやろうか」
 更に激しく、赤ん坊の泣き声。
「なにしてる! ガキをだまらせんか」
「うう、うーう」
 その時、ひとりの女が突然苦しみだした。そして絶叫とともにひとしきり地面を転げ回ると、血の混じった吐瀉物を吐き、死んだ。

「伝染病だ」
「伝染病が来たぞッ」
 洞窟の人々は大混乱に陥り、たちまち洞窟の秩序は崩壊した。
「うわ、助けてくれえ」
「静まれ、静かにしろ」
 群衆は制止する衛生官を押し退け、洞窟を飛び出した。そしていっそのこと、もう死のう、と考えた。人々は次々に、断崖絶壁の上から身を投げて行った。
「うわあっ」
「ぎゃーあぁ」
「怖い!」

 その身投げの様子は、国連軍医療部隊の陣地からも見て取れた。部隊長の黒人士官は、マリファナをすぱすぱやりながら、
「全く、なんていう野蛮なやつばらだ。クレイジー・ファッキンジャップめ」
 と言った。


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