革命国家が勝利に向かって前進する玉川上水のブログ

駿河南海軍工廠の後継。近現代史小説を中心に掲載。

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 昭和十九年。フィリピンを最後の決戦場に選んだ大日本帝国は、ここへ多数の兵力、航空機、艦隊を集結させ、連合軍を迎え撃つ用意を固めた。斉藤中尉の九七式中戦車も、この日、ルソンの密林の中に居た。

 この戦車が「新型」と呼ばれていたのは、もう遠い昔のことであった。取り回しの良い短砲身砲から、高威力の長砲身砲へと、戦車の時代は移り変わっていた。しかし中尉は昔ながらの九七式で、より強力な米国の新型戦車と戦うよりほかに無かった。

「体当たりしてでも、敵戦車と刺し違えてやるのだ!」
 という気概で、四名の乗員は奮い立っていた。間もなく米軍の上陸が始まり、ルソン島の戦線は激戦となった。長距離砲弾が頭上を飛び交う密林の中で、彼は戦車を前進させた。進路を遮る樹木をなぎ倒し、踏み潰すと、舞い上がる木の葉や枝の向こうに、黒々とうずくまっている米軍の戦車が見えた。巨大な砲塔が動き、砲口がこちらを向いた。

「八幡大菩薩! 守らせ給え!」
 彼は神仏に祈り、五七ミリ砲を発射した。すると奇跡が起こった。砲弾は米軍戦車の装甲を貫き、爆発した。敵の戦車は火柱を上げ、吹き飛んだ。
「万歳!」
 乗員たちは快哉を叫び、自分たちが生きていることを暫し喜び合った。そして中尉はこの先の川で、昼食を取ることに決めた。

「この辺でいいだろう」
 しかし彼らは食事を取ることはできなかった。彼らは弁当の包みを開けた途端、握りめしに喰われて、死んでしまった。


コメント


にぎりめしに食われて死ぬのは、肥壺に落ちて死ぬのの次くらいに嫌です。
2010/02/08 02:12URL  ツンドラッヘ #IVWpImkQ[ 編集]


たくあんにしようかどうか迷いました。
2010/02/08 17:18URL  廠長 #w1X/gZh6[ 編集]


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